大阪人がスペインで愛を得る旅

ワーキングホリデービザでスペインの南の方に住んでいます。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

お風呂事情

ヨーロッパの人たちはお風呂に毎日入らない。 そもそも、日本人以外はほとんどシャワーで済ます国がほとんど。 そんな噂を耳にしたことはないだろうか。 私も実際にスペインに来る前は、お風呂事情にかなり不安を抱いていた。 お風呂に入るという習慣がない…

歯ブラシ

海外旅行をしたことがある人ならば、誰でも一度は経験したことがあるのではなかろうか。 長距離フライトの際に配られるポーチの中。 宿泊先の洗面台。 アメニティを用意していてくれていることは大変ありがたい。 ありがたいのだが。 何しろ歯ブラシがデカす…

脱毛

唐突だけれど、告白します。 私は、クロの毛を剃るのが好きだ。 理由は、なんだかスッキリするから。 以上。 クロは自身の毛が気に入らないらしく、将来は脱毛をしたいとも言っていた。 今は肌寒くなり肌を露出する機会が減ったので頻度は落ちたが、自分でた…

ヘアスタイル

クロが散髪に行く。 今の髪型を整えるだけにするか、新しいスタイルに挑戦するか。 決定権は私にあるとのことだったので、私は挑戦に一票を投じた。 「見たことないから、見てみたい。」 その私の鶴の一声で、クロの方向性が決定した。 早速電話をして空きを…

食材

キッチンで食材の整理をしながら、何げない会話をしていた。 突然、思い立ったかのようにクロが言った。 「君は俺の食材をちょっとずつ食べて、ちょっとずつ俺のお金を使ってる!」 誤解がないように断っておくが、食材の共有を提案してきたのはクロの方から…

タコス

今日はタコスを作ると決め込んで、買い物をした。 一度友達の家で振るまってもらってレシピも教わったのだ。 めんどくさがりの私流にかなり工程を簡素化して、スペインに来てから二、三回作っている。 タコミートの元になるサルサはスーパーで簡単に手に入る…

お粥

やっぱり。 生理が始まった。 昨日の情緒不安定もきっと生理のせいに違いない。 元々生理痛はないタイプだ。 生理前は情緒が乱れたりとんでもなく眠たくなることはあっても、痛みに苦しめられることは思い返してもほとんどない。 しかし、季節の変わり目で自…

体型

久々にお洒落をしたけれど、特に行き先は決まっていない。 せっかくなので、近所を散策でもしてみよう。 家の周りというのは、決まった道以外通らなくて案外未開拓だったりする。 Google mapに頼らずに、直感で右折と左折を繰り返す。 しばらく歩くと、可愛…

お洒落

クロと外にお出かけすることは、滅多にない。 そもそもクロがインドア派なこと、今日本への渡航に向けて節約中であることから外食の機会はゼロに近い。 一方、私は世界一周を試みたこともあり(コロナで中断したが)、アクティブな人間だと思われることが多…

ハンバーガー

その日のクロはご機嫌だった。 ベッドに転がって携帯をいじっている私を邪魔しに来たのかと思えば、おもむろに指やお腹を噛まれる。 前からくすぐられたりすることはしょっちゅうだったが、噛まれるとは思っていなかった。 そもそも、潔癖症じゃなかったけか…

心配性

少しずつ冷静さを取り戻したのか、クロがポツリと言った。 「近い間柄の人に対して、過剰に心配してしまうことがあるんだ。自分でも良くないと思ってる。直したいんだ。」 私はクロがやっと何事も跳ね返す話を聞かないモードの武装を解いたことに少しホッと…

距離

「綺麗、だなんて。絶対君のこと狙ってるよ。」 そう言うクロは、なんだか目が潤んでいるようにも見えた。 いや、部屋が暗かったので私の思い違いかもしれない。 とにかく、切に訴えるような瞳に、庇護欲が湧いた。 咄嗟に言い訳をしなければならないような…

態度

その日、日課のアニメを見る時間になってもクロの態度がおかしかった。 なんだかそっけない。 いつもならことあるごとに部屋に顔を出し、徐に私に構っては台風のように去っていくのにそれもなかった。 何か機嫌をくすねるようなことしたかな、と目新しい記憶…

対抗策

内覧者が後をたたない様子を見かねて、クロは大家さんと直接話をすると言った。 彼の主張をまとめるとこうだ。 そもそも他人と共同生活をすることが苦手なクロにとって、気の許せない人と暮らすことは耐えられない。 おそらく大家はお金を欲しがっているので…

4人目

それもまた突然だった。 大家さんから連絡があり、今日の夕方に男の子が一人下見に来るから、家にいたら鍵を開けてくれないかとのことだった。 私がその通知に気づくよりも前にクロが部屋に押しかけてきた。 メッセージを確認した時には、クロがすでに大家さ…

甘え上手

それからたまに拗ねたり機嫌を取り合ったりしながら、日々を過ごした。 前と変わらず食材を分け合って。 たまに二人分作ったり、宅配でハンバーガーを一緒に注文したり。 アニメは相変わらず日課だ。 クロからハグをしてくることは無くなったが、スキンシッ…

冗談

「オンラインレッスンを受けることにした!」 嬉しそうにクロがそう報告してくれた。 以前コンサルタントを頼んだ相手が日本語の講師もしているらしく、それを受講するのだそうだ。 一般的な日本語能力試験に沿った内容が基本だが、クロが取得を目指す特定技…

連絡

いつの間にか夢について語り合っていたクロと私。 気づけば、また二人で笑い合っていた。 不思議だ。 離れているよりも、こうして笑い合っている方が心地良い。 友達だとか、恋人だとか、肩書きに縛られていたけれど。 そのどちらに当てはまらない関係があっ…

幸せになる夢

クロと話しながら、私は自分がクロに頼ってしまっていたことに気づいた。 私は、誰かに求められたかったのかもしれない。 求められることで、自分の存在意義を見出していたのだ。 だからこそ、相手に縋るようになり、相手の機嫌を伺うばかりになってしまって…

二次感情

扉を閉め切って、一人でタッパに詰めた作り置きを食べながら。 頭の中でぐるぐるといろんな感情が混ざり合う。 はじめは悲しみだった。 クロに突き放された悲しみ。 私が友達にはなれないから、もういっそ顔も見たくないと言った時、クロはあらかじめ用意し…

虚無

なんとか震えを抑えて、絞り出すように言葉を紡いだ。 「私は、そんなことできひん。何事もなかったように、これからクロに笑える気がせえへん。できることなら、もう明日から顔も見たくない。そうでもせな、気持ちは整理できひん。顔を合わせて、平気でおら…

振り出しに戻る

思いの外伝えたい言葉はすぐに定まった。 心の中にうずくまっていた感情は、どこかで外に出る機会を待っていたのかもしれない。 メッセージで送るとあまりにも長い。 けれども、私の本当の、今の気持ちだ。 そして、なるべく落ち着いて。 冷静に、重くなりす…

悪循環

頭の中で嫌な想像ばかりしてしまって、自然に私の顔から笑顔が消えた。 クロはそんな私に気づいて、不安そうに顔を覗き込んでくる。 そんな優しさすら私の悲しみを増幅させて。 もういっそのこと冷たくしてくれればいいのに。 実はここ最近も時折寂しい感情…

結局

薄々気づいていた。 目の前に立ちはだかるモノ。 出くわす度に巧妙に避けて通って来たつもりだった。 けれど、この先へ進むにはいつか対峙しなければならないのだと。 ここ最近の平和な空気に少し絆されていたのかもしれない。 いや、自らその空気に身を隠し…

悲しいアタック

最近クロは、私のことをポケモンと言う。 そして、私が落ち込んだり悲しい顔をするたびに 「悲しいアタックだ!」 と言って私を笑わせる。 そして出かけた帰りに食べ物を買ってきては 「ハッピーになった?」 と聞いてくる。 「君にはハッピーでいてほしい。…

プラン

「2年間日本語を独学で勉強して、ワーホリビザで日本に行く。そこで、特定技能ビザの試験を受ける。そしてその前に、来年観光ビザで日本に行こうと思う。君はどう思う?」 クロにそう聞かれたけれど、どの立場で答えれば良いのか分からなかった。 私の感情を…

カレー

キーマカレーにハマっていた。 以前、挽肉が余った時に見つけたレシピだ。 汁気がないので保存にも向いていて、何より簡単に美味しくできた。 「今日、私カレー作るわ。」 クロにそう言うと、 「じゃあ俺の分も挽肉焼いてよ。工程の途中で分けてくれればいい…

道筋

クロがリビングでテレビを見ている時、これまでは興味がなくても一緒に見ることが多かった。 少しでも一緒にいたくて。 けれど、ここ最近はモヤモヤする感情に落とし前をつけようと。 これまでと違う行動を意識的にとっている。 興味のない内容の時や、気が…

間違い

「日本人の妻は、結婚した後に旦那以外の男と浮気をするって本当?」 「誰がそんなこと言ったん。」 クロが熱心に見ている日本在住のスペイン人のYouTuberがいる。 日本に住んで10年近い彼が、日本のあれこれを動画で話しているのだ。 その一環で、先ほどの…