大阪人がスペインで愛を得る旅

ワーキングホリデービザでスペインの南の方に住んでいます。

スペイン人は展開が早い?

 

私は今、スペインの南に位置するアンダルシアという地方に住んでいる。

 

この地方の人々は、スペインの中でも早口で、血気盛ん、フレンドリーな傾向があるらしい。

そして、ことアンダルシアの男子に関して言えば、浮気者が多いことも特徴の一つである。

 

スペインの、アンダルシア以外の地域に住む人に聞いた話だ。

私はアンダルシアにしか住んだことがないので他のことは分からないが、あながち間違っていないかもしれない。

 

私が前に住んでいた家の同居人は相当な女好きで、毎晩のように女の人を部屋に連れ込んでいた。(しかも日替わり)

本人自ら女好きを公言しており、曰く「女であればみんな好き」なのだそうだ。

楽しそうな毎日で何よりである。

 

 

一度言語交換アプリで知り合った男性も、生粋のアンダルシア生まれアンダルシア育ちだった。

彼は日本に関心があるため恋愛に奥手な日本人の傾向を知っていたが、それでも早い展開を望んでいた。

私は単純にスペイン語スキルアップと知り合いを増やす目的で彼に会ったのだが、出会った初日になんの脈略もなく帰り際にキスしていいかと聞かれた時には心底驚いた。

(のちに同居人に尋ねたところ、スペイン流の脈略はあったらしいが私には分からなかった。)

私が断ると彼は態度を改めたが、帰ってから長文のメッセージが届き

「帰り際は変な雰囲気だったけど、俺とまた会う気は本当にない?」

という旨の内容が記されていた。

私は上記の通り、知り合いは欲しかったのでその旨を伝えた。

まだ出会った初日でなんの感情も抱いていないこと、知り合いは欲しいので純粋に友人としてなら喜んで会いたいとメッセージを送った。

「君は特別な人だから、慣れないけど待ってみるよ。」

そう返事が来た。

 

それから公的手続きなどスペイン語に自信がなかったり、サポートがほしい時などに彼を頼ったので、結局三回ほど彼とは会った。

三回目に会うときは、郵便局に用事があってついてきてもらった。

日本に送った手紙がなぜかスペインの住所に戻ってきたからである。

その日彼は帰りにディナーと映画もどうかと提案してくれ、まあデートみたいな内容になった。

私が以前メッセージで伝えていたので恋人のような振る舞いはしてこなかったし、私も思わせぶりな態度はとらずその日も何もなくただ解散した。

 

すると、その日帰ってからまた長文のメッセージが届いた。

要約すると、

「君の言う通り時間をかけてみたけれど、君の気持ちが分からない。きっとこれからも君の気持ちは友達以上にならないだろう。それならもうただの友達になろう。」

みたいな内容だった。

私は正直、もう少し時間をかけて彼を知れば、いつか好きになれるかもしれないという期待もあった。

でも、三回ぽっちじゃ気持ちは動かなかった。

ただそれだけだ。

なんだかひどいことをしたようで、申し訳ない気持ちにもなった。

期待をさせてしまって、けれども気持ちに応えられなかったのだ。

 

とにかく、その時に思ったのは「待ってくれないんだな」ということ。

三回会って何も感じなかったのなら、ダメだろうと思うかもしれない。

実際、話に聞いていたアンダルシアの血気盛んな物差しならかなり待ってくれたほうだろう。

 

友達として何回か会ううちに徐々に好きになる、という可能性もあると私は思っていた。

でも、友達ならいいよと言った彼は、結局友達になったら途端に連絡がつかなくなったのだ。

以前ならすぐに返事がきた質問に対する答えも、ほとんど返ってこなくなった。

私に優しくしても何の発展もないと分かったからだろう。

彼を責めたいわけでもないし、これは全世界共通なのかもしれないが、男女で友情を結ぶのは難しいのだと改めて思い知らされた。

あまりにも露骨だったので、流石に少し悲しかったけれど。

 

スペインに知り合いがいない私にとって、知り合いを増やすために性別は重要ではない。

それでも、相手にとっては“女“の一人なのだ。

 

気づいたら好きになってました〜

みたいな展開を夢見ていたが、そうするためにはまず知り合いが必要で、でも知り合う時から女として見られてしまうとスピード感のギャップが生まれる、ジレンマが生まれてしまった。

 

私は、この先スペインで恋をするのだろうか。

 

 

 

「」=スペイン語

「」=日本語

で会話をしています。