大阪人がスペインで愛を得る旅

ワーキングホリデービザでスペインの南の方に住んでいます。

スペインには”告白”がない

 

何回目のデートでキスをするのか〜のくだりで、交際のきっかけの話になった。

 

どうやって二人は付き合うのか。

日本では、どちらかが「付き合ってください」と申し出るのが一般的だろう。

しかし、アメリカやヨーロッパではその習慣がないと聞いたことがある。

 

現地人に聞いてみよう。

 

というわけで、隣のスペイン人に聞いてみた。

 

「スペインでも付き合ってくださいって言うの?」

「ん〜、言わない」

やはり、言わないらしい。

となると重要なのは、どうやって告白せずに付き合うのか、その方法である。

 

それももちろん聞いてみた。

 

私が尋ねると、彼は嬉しそうに話し始めた。

「例えば、自分があるお店で働いているとする。そして、店の前を女の人が通る。自分好みで、思わず見てしまう。すると、向こうもこちらを見ている。これが第一段階。」

何やら、実体験に基づいていそうな話だな。

「その次の日、また同じ女の人が店の前を通る。今度は意図的に見つめる。そして目があって、笑いかけると向こうも笑ってくれる。これが二段階目。」

なるほど。なんとなく海外ドラマとかで出てきそうなシーンではある。

「笑いかけられたらなかなかいい線いってるんだけど、女の人が髪を触ったらYesのサインだよ」

 

いや、どこで習うねんそんなこと。

なんで周知の事実になってんねんそれが。

髪の毛にお米ついてて恥ずかしさのあまりの照れ笑いやったらどうすんねん。

 

話を聞いても素直に納得はできなかったが、どうやら入り口はそんな感じらしい。

そこからお互いをより深く知る、いわゆる"デート期間"になるのだそうだ。

 

「話してる時に目を見るって言うのはすごく重要な意味を持っているんだよ。それだけ相手に関心を持っているってことだからね。それから、深い話をして互いの理解を深めて、少しずつ触れたりして様子を見ながら、キスしたり…かなあ」

ふむ。

確かに目を見る、という行為には"私はあなたの話を聞いていますよ"と言うアピールが含まれているかもしれない。

恋愛以外の状況でも、相手の話を真剣に聞いていることを態度に出すために目を見る場合がある。

考えてみると、私は基本的に話している人をじっと見つめてしまっているような気がする。

うっとり、ではないが、場合によっては誤解させてしまうかもしれない。

それにしても、言葉にせずに相手の態度を見て判断するだなんて、さすが海外式だなあとも思った。

日本人はジェスチャーも控えめで感情を露わにすることが海外に比べて少ないと思う。

だからこそ、態度で全てを判断するのは難しいようにも思う。

それに、相手が思わせぶりなだけだったらどうするんだ。

とにかく、私なら確信が持てなくて不安になってしまう。

 

納得していないのが顔にも出ていたのだろう。

「魔法があるんだよ。本当に、その時になると分かるんだ。」

と彼は付け加えた。

恋愛は頭でするものじゃない、心でするものだよ、と彼は自分の左胸を叩いた。

 

私もいつかその魔法を体験するだろうか。

街角で何度もすれ違う人と、徐々に距離を縮めていく…。

想像してみると、なかなか胸が躍った。

 

 

 

「」=スペイン語

「」=日本語

で会話をしています。