大阪人がスペインで愛を得る旅

ワーキングホリデービザでスペインの南の方に住んでいます。

“重い”人

 

Persona pesada

スペインにはそんな表現がある。

Personaは人、pesadaは重い、という意味がある。

 

現在私はクロの他にもう一人スペイン人の女の子と同居していて、彼女がクロみたいな人をpersona pesadaというんだと教えてくれた。

 

日本で重い人というと、恋愛の場面で想いが強すぎるあまりに相手にプレッシャーを与えたり、嫉妬深いイメージがある。

もしくは、深刻に物事を受け止め過ぎてネガティブになった状態なんかも重いと言えるだろう。

 

しかし、スペインの重い人は、それらとは少し異なるようだ。

 

クロはよく

「何食べるの?」

とか

「どこ行くの?」

とか、些細なことを事ある度に聞いてくる。

そんな彼の行動は重い人、該当するらしい。

日本でいう『かまちょ』みたいなものだろうか。

 

クロに限らず、スペイン人の多くが日本人よりも積極的に人と会話でコミュニケーションを取ろうとする印象はある。

例えば食事中にどんな一日だったか、これから何をする予定か、なんかを話すのは毎日のことだ。

日本人はどちらかというと各個人のプライバシーを尊重する傾向が強く、家族でも毎日その日の予定を訪ねることは稀だというのが個人的見解だ。

それは決して関係が希薄だということではなく、あくまでコミュニケーションの取り方の違いにすぎない。

 

実際のところ、私自身は毎日予定を話すことに慣れていなかった。

ことあるごとに調子はどうかとか、これから何をするのか、どこに行くのかと同居人たち(特にクロ)は尋ねてくれるのだが、今でもうまく返答ができないことがある。

秘密にしておきたいわけではなくても、咄嗟に返事が出てこないのだ。

単純にこれまでの日常で慣れ親しんでいない行為だからだろう。

 

スラスラと意見を述べるスペイン人に対して、私の返答はちょっとした間が空いてしまう。

それに気づいたクロに、

「俺質問しすぎかな?困らせた?」

と私が彼を困らせてしまったこともある。

 

また、スペイン人は男女間でも日本より女性の体について話すことが多いらしい。

同居人の女の子に聞いた話だ。

日本では、生理の話なんかはカップルでなければほぼ男女でしない会話だろう。

スペインでは日本よりもそういう会話は普通に行われているらしい。

まあ、話を聞いている限り、スペイン男子が好んで聞きたがっているというより、女子が一方的に聞かせている感じがしないでもなかったが。

実際彼女は生理痛の話なんかをリビングでもするし、買ってきたナプキンも披露していた。

 

 

おそらく会話の回数が多い分、話す内容も多岐にわたるのだろう。

よく言われる『日本人は自分の意見を主張するのが苦手』も会話の内容にそれが多く含まれていないからだ。

小さい頃から自分はどう感じるか、を親に聞かれて育ってきた子供は自分の意見を伝えるのに苦労しない。

スペイン人同士の会話でもよく「君はどう思う?」「君はどう感じた?」という、正解ではなく考えや感情を尋ねるフレーズをよく耳にする。

 

幸い私には“重い”同居人がついている。

たくさん質問してもらって、いろんな質問に答えれるよう鍛えてもらおう。

 

 

 

 

 

 

「」=スペイン語

「」=日本語

で会話をしています。