大阪人がスペインで愛を得る旅

ワーキングホリデービザでスペインの南の方に住んでいます。

全肯定

 

前髪がある頃の写真を探していると、懐かしい写真たちが続々出てきて思わず思い出鑑賞タイムに突入。

 

隣にいた小型犬クロに尻尾が見えたので、携帯を渡して私が横から覗き込むことにした。

 

下にスクロールすればするほど若くなっていく自分。

8年前、まだ学生だった頃の写真に遭遇する。

学生の頃は青春の謳歌に全力を注いでいたおかげで、ほとんどの写真が数人の友達と写っているものだった。

「友達すごく多いね!」

そう言われると、当時は確かにそうだったかもしれない。

しかし、学校で毎日顔を会わせなくなった今では頻繁に連絡を取り合う存在は限られてしまった。

寂しいものだなあ。

就職や結婚、ライフステージの変化で人間関係も変化する。

今私にとって大切な人とは、これから先も離れないだろうか。

 

私が物思いに耽っているうちに、幼少期の写真を見つけたらしい。

4歳くらいで、父親と写っているそれ。

若かりし父親が男前でお気に入りの写真だ。

幼い私は、我ながら愛くるしいオーラを放っている。

「うわー!かわいい!世話焼きたいな」

わんころクロの目にも子供は可愛く写るらしい。

その後も若かりし頃の私を、若くて可愛らしいねと褒めてくれる。

素直に褒めてくれるからスペイン人は好きだ。

 

 

しばらくして、ある年のバレンタインの写真が出てきた。

その年は、ゲーム好きな彼氏のためにキャラクターをもじったチョコを作った。

 

ネットで見たら簡単そうなのに、いざやってみると難しくて。

不器用な私にはさらに難解な作業でいくつも失敗作が出来上がった。

イメージしやすいように実際の画像をお裾分けする。

 

数打ちゃ当たる戦法

 

原型をとどめていないものも多くて、二人してゲラゲラ笑った。

「実はこれ、彼氏にあげるために作ったねん」

と言うと、

「すごい頑張ったんだね。何個も作って、その気持ちがもう嬉しかったと思うよ。」

と返ってきた。

いや、優しい言葉botかよ。

褒められて伸びるタイプなのでありがたく栄養にします。

 

 

他の写真を見ている時も、

「今の髪型も好きだけど、この髪型は本当に最高だよ。」

とか、片方を否定することなく褒めてくれる。

いわゆる褒め上手だ。

そうやって育てられてきたのか。

そうやって周りから愛情を受け取ってきたのだろうか、と想像した。

 

異なる環境に身を置く今だからこそ会得できるもの。

それは、新たな自分と出会うこと。

突然別の人格に出会うということではなく、これまでと違う環境で感性や人柄を育てて新たな自分を一人前にすること。

私は、もっと素直に人や自分を誉められるようになりたいと思っていた。

甘え上手の第一歩は、自分を上手に甘やかすことからだ。

褒め上手の同居人から学べることは多い。

 

 

 

 

「」=スペイン語

「」=日本語

で会話をしています。